裏側(リンガル/ハーフリンガル)矯正とは?目立ちにくさや装置の特徴【前編】 銀座
2021年04月26日
矯正治療と聞くと、一般的に歯の表面にワイヤーやブラケットなどの装置を付ける矯正方法を思い浮かべる方も多いでしょう。
しかし、歯の裏側に装置を付ける、裏側矯正という矯正方法もあることをご存じでしょうか。
歯の表面に装置があると、話したり笑ったりした場合に装置が丸見えで目立ってしまうことに抵抗がある方もいますよね。
その点、裏側矯正は歯の裏側に装置を付けるので、表側矯正よりも装置が目立ちにくいというメリットがあります。
具体的に裏側矯正とはどのようなもので、一般的な表側矯正とどのような違いがあるのでしょうか。
また、裏側矯正にも種類があるので、それぞれどのような特徴があるのかをご紹介します。
裏側矯正とは?
裏側矯正とは、その名前の通り、矯正装置を歯の裏側に付ける矯正方法です。
使用する矯正装置はワイヤーやブラケットなどで、表側矯正とほぼ変わりませんが、装置を付ける位置が表側か裏側であるかの違いがあります。
歯の裏は舌の位置に近いため、”舌側矯正”とも呼ばれています。
歯の裏側に付けた装置は口を大きく開けたり、口の中を覗きこまれない限りは見えにくいものです。
そのため、人前に出る仕事をする人や、矯正することを人に気付かれたくない方に人気の矯正方法です。
≪裏側矯正の種類≫
裏側矯正は主に次の2種類に分けられます。
・リンガル矯正…上下どちらの矯正も裏側に装置を付ける
・ハーフリンガル矯正…上顎だけを裏側から矯正する
上顎、下顎両方とも裏側に装置を付けるか、上顎だけ裏側矯正、下顎は表側矯正にするかの違いです。
表側矯正と比較した時のメリットデメリット
裏側矯正と表側矯正を比べると、装置を付ける位置はもちろん違いますが、その他にも異なる点がいくつかあります。
表側矯正と比較したときの、裏側矯正のメリットデメリットは次の通りです。
≪裏側矯正のメリット≫
・虫歯のリスクが低い
矯正装置を付けていると、歯磨きが難しくなるのは表側矯正も裏側矯正も同じです。
そのため、虫歯のリスクが上がりやすいのですが、歯の裏側というのは元々唾液の循環が表側と比べて多く、虫歯菌を洗い流す自浄作用が働いています。
また、表側よりも空気に触れにくいという点においても、虫歯菌の増殖が抑えられます。
・前歯が出ている場合の矯正に効果的
出っ歯矯正の場合は、どちらかというと裏側から出ている歯を引っ張る裏側矯正の方が向いていると言われています。
後ろから、前に出ている歯を引っ張るように力をかけるのです。
・効果が実感しやすい
歯の表に装置が付いていると、装置を外すまで歯列が矯正できているのか、自分では分かりにくいこともあります。
その点、裏側矯正の場合、自分でも見た目でも矯正の効果を実感しやすいということはメリットの1つでしょう。
・口が閉じやすい
歯の表面に装置が付ける場合、口が閉じにくくなることもあります。
装置が裏側に付いていると、口を閉じるのには特に支障はありません。
≪裏側矯正のデメリット≫
・費用が高くなる傾向がある
歯の裏側は表側に比べ、表面がデコボコしているため装置が取り付けにくいことから、矯正費用は裏側矯正の方が高くなる傾向もあります。
また、裏側なので器具の操作性も難しく、表側矯正と比べて歯と歯の間の距離が狭いため、ワイヤーの曲げの1つをとっても、正確さや緻密さが要求されます。
矯正医の経験や技術力が求められるため、費用が高くなってしまうのもある程度は仕方がないと言えるでしょう。
・治療期間が長くなりやすい
矯正治療期間は症例によって異なりますが、裏側矯正は表側矯正に比べてワイヤーの長さが短いため、歯の移動に時間がかかることが考えられます。
そのため、治療期間もそれに伴い、長くなることもあります。
・表側矯正に比べ装置が取れやすい
裏側は唾液が溜まることも多いですし、舌の動きや食べ物が挟まりやすいことにより、表側矯正よりも装置が取れやすいということも言えます。
今回はここまでにします。
次回は裏側矯正のリンガル矯正とハーフリンガル矯正とは具体的にどのようなものか、メリットやデメリットを交えてご紹介します。