子どもの頃からロコモ予防
2019年09月19日
9月16日(月.祝)に文京シビックセンターで行われた日本小児歯科学会、関東地方会へ行ってきました。
この学会では例年特別講演があり、歯科だけでなく医科の講演があります。
今年は宮崎大学医学部整形外科の帖佐悦男先生が「子どもの運動器が危ない!ーなぜ子どもの頃からロコモ予防が必要かー」という題目でお話をしてくださいました。
ロコモとは、「ロコモティブシンドローム(ロコモ:運動器症候群)」の略称で、「運動器」の障害のために移動機能の低下をきたした状態を指します。進行すると介護が必要になる事から高齢者の問題と思われていますが、子どもにも関係深いものでした。
では、何故子どもにも関係深いか、帖佐先生によると現代の子どもたちは「身体の二極化」がおきているからだそうです。
一つは子どもたちの運動過多による四肢・脊柱のスポーツ外傷・障害があります。これは子どもの運動器が未発達であるため過度な運動などで「スポーツ障害」を」引き起こし大人になっても疼痛が残存し、ロコモつながるというものでした。今年の夏の甲子園でもスポーツ障害は話題になりましたね。
もう一つは、スマホ社会(メディア・ネット依存)の弊害の一つである運動不足による肥満傾向・生活習慣病があります。運動不足の子どもは、バランス能力や筋力などの基本運動能力が低下していてロコモに結びつきやすくなるそうです。すなわち「ロコモ」は高齢者の問題ではなく、子どもの頃から対応する必要があるそうです。
そこで、現在学校で運動器検診を実施することで、運動器の形態異常・機能不全を早期に発見し健全な運動器の発育・発達をサポートすること、さらにその後の運動器傷害を予防することで、将来のロコモ・メタボ予防へつながると考えられているそうです。
子どもの頃からの適度な運動が、将来へとつながるとても大切なものだと思いました。
石川(紀)
参考・引用元:久光製薬株式会社「ロコモ読本」