子供の歯並び矯正(小児矯正)!大人と子供では治療法は異なるの?【後編】 銀座
2022年09月20日
前回は大人と子供の矯正の違いについてや、子供のうちに矯正した方がいい理由について紹介しました。
子供のうちの中でも早期に矯正治療を始めるメリットは多いですが、具体的にどのように矯正するのか気になるところですよね。
今回は子供の矯正方法とはどのようなものがあるのか、大人とは異なる点について紹介していきます。
子供の矯正タイミングは大きく分けて2つ
子供が矯正するタイミングは、大きく分けて2つあります。
乳歯と永久歯が混合する混合歯列期と、永久歯に生え変わった永久歯列期の2つです。
それぞれ、どのような治療になるのか説明します。
《子供の矯正タイミング①混合歯列期》
まず1つ目の矯正タイミングは、乳歯から永久歯に生え変わり始める、混合歯列期と呼ばれる時期です。
個人差はありますが、6歳~10歳くらいの時期が矯正を始めるのに良いタイミングと言えます。
永久歯に生え変わることで、顎も成長するため、顎が一生のうちに大きく動く時期です。
そのため顎の成長を矯正治療に利用でき、歯並びだけはなく、顎の幅を広げたり、バランスを整える治療もできます。
【矯正方法】
・拡大床(取り外し可能な装置。顎の横幅を広げて、歯の並ぶスペースを確保する)
・急速拡大装置(固定式の拡大装置。歯の並ぶスペースを確保する)
・小児期用マウスピース型矯正装置(インビザラインファーストなど。歯並びを整える)
・歯列後方移動装置(奥歯を後方に移動させ、歯の並ぶスペースを確保する)
・リンガルアーチ(舌側弧線装置。顎の成長を促し、噛み合わせ改善等に使われる)
など。
同時に舌癖や口呼吸などの歯並びに影響を与える癖がある場合、その癖を直していくためのトレーニングをする場合もあります。
《子供の矯正タイミング②永久歯列期》
2度目の矯正治療を始めるのに良いタイミングは、永久歯が生え揃う12歳以降の永久歯列期です。
ただし、この時期に顎骨の成長は完了することが多いので、主に歯並びの治療が中心となります。
矯正方法は大人の矯正方法とほとんど変わりません。
永久歯が生え揃ったことで、全体的な歯並びや噛み合わせを調整していきます。
混合歯列期に治療を始めていない場合は、抜歯をしてからの治療になる可能性もあります。
【矯正方法】
・ワイヤー矯正(表側・裏側)
・マウスピース矯正
など
子供が矯正治療する際の注意点
子供が矯正治療をする際には、大人の矯正治療と異なり、次の点に注意が必要です。
《口腔トラブルに注意する》
子供の場合は歯磨きなどの口腔ケアが子供自身だけでは十分にできない場合があります。
特にリンガルアーチや急速拡大床、ワイヤー矯正などに使われる固定式の装置をつけている場合、ブラッシングにはコツが必要です。
子供自身では十分にケアできず、虫歯や歯周病などのリスクが増えることがあります。
歯科医院で親も一緒にブラッシング指導を受け、仕上げ磨きや歯磨き後のチェックをしてあげるようにしましょう。
《治療期間を考慮する》
子供の矯正は治療期間をよく考慮し、開始時期を決める必要があります。
受験や部活で忙しい時期など、子供が矯正をすること、通院を負担に思うタイミングでの治療は避けたいところ。
矯正を始めたはいいものの、治療が続かなくなる可能性があるので、治療にかかる期間を考えて、負担なく治療に入れるタイミングを子供とも相談しながら選びましょう。
まとめ
子供の矯正は大人の矯正とは異なる部分があります。
一番大きな違いは、子供の成長力を利用した矯正であるか、そうでないかです。
子供の治療は成長力を活かした治療ができるため、大人よりも治療期間が短く、複雑な治療になりにくいです。
特に乳歯から永久歯に生え変わるタイミングである、混合歯列期に治療を始めることで、将来的な矯正治療における抜歯のリスクを減らすことができます。
このように早期に治療を開始することのメリットは大きいため、歯並びについて気になった時点で、早めに歯科医院へ相談するといいでしょう。