「前歯が閉じない状態(開咬)」を治療するには?【後編】 銀座
2022年04月28日
前歯が閉じない状態である、開咬(かいこう)。
開咬のままでは、前歯で食べ物を噛めないという以外にも、様々なデメリットがあると分かりました。
しかし、かいごうも他の不正咬合と同じく、治療はできます。
少し難しい治療にはなりますが、治療すれば開咬による様々なデメリットも解決、改善できる可能性は高いです。
開咬にはどのような治療法があるのでしょうか。
今回は治療方法と並びに、開咬を治療するメリットについても紹介していきます。
開咬の治療方法は?
開咬の場合、奥歯を圧下させて前歯の隙間を埋めるか、前歯を挺出を行い隙間を埋めるか、またその両方同時の治療をします。
これにはワイヤー矯正か、マウスピース矯正(インビザライン)が有効です。
また、同時に開咬の原因となる癖を治すトレーニングもすることが重要です。
【ワイヤー矯正】
奥歯が通常より大きいため、噛みあったときに前歯に隙間ができるタイプの開咬の場合、奥歯を引っ込める(圧下)の治療が必要です。
この治療は以前はワイヤー矯正では難しいと言われてきましたが、「歯科矯正用アンカースクリュー」と呼ばれる医療用ねじを使用することで、簡単にできるようになってきました。
また、前歯の長さが短い場合は、前歯を引き出す(挺出)治療が必要。
この治療もワイヤー矯正で可能です。
【マウスピース矯正】
2006年に日本にも導入されたインビザラインも、開咬の矯正に有効な矯正装置です。
透明なマウスピースを使って、奥歯を圧下させたり、前歯の挺出を行えます。
【口腔筋機能療法(MFT)】
ワイヤー矯正やマウスピース矯正で開咬を治療しても、治療後保定させるのが難しいと言われる開咬。
そのため、歯列矯正治療中も、治療後も、口腔筋機能療法(MFT)と呼ばれる口腔筋のトレーニングをすることが重要と言われています。
具体的には、開咬の原因となっていた舌の癖、口呼吸の癖を改善するトレーニングです。
この癖を改善しなければ、また治療後にも開咬となる可能性が高いからです。
開咬を治療するメリットは?
開咬を治療すると、次のメリットが得られるようになります。
【メリット①見た目の改善】
まず、前歯が閉じない状態は、見た目がコンプレックスとなっていた方もいると思いますが、そのコンプレックスから解放されるでしょう。
しっかり閉じるようになれば、口を開けたときに違和感を抱かれにくくなります。
【メリット②口内環境の改善】
開咬であるために口が乾きやすく、口内環境が悪かった方も、前歯が閉じられるようになり、口呼吸が改善されれば、口内環境も改善されます。
歯周病や口臭の原因になる細菌も減るでしょう。
【メリット③食べやすくなる】
前歯で食べ物が噛みちぎれるようになるため、胃腸に負担をかけない食べ方ができるようになります。
また、前歯の隙間から食べ物をこぼしたり、咀嚼音が周りに聞こえやすいという点も改善されるでしょう。
【メリット④活舌が改善される】
前歯の隙間から空気が漏れることが少なくなるのと、話をするときに隙間から舌が出ることが少なくなるため、活舌が改善されます。
発音しにくかったサ行やタ行も発音しやすくなるでしょう。
まとめ
開咬は様々なデメリットを引き起こす不正咬合の1種ですが、歯列矯正治療で治せます。
また、治すことによるメリットも大きいので、気になる方は一度歯科医院で相談してみましょう。