裏側(リンガル/ハーフリンガル)矯正とは?目立ちにくさや装置の特徴【後編】 銀座
2021年04月27日
前編では、裏側矯正の特徴や表側矯正と異なる点についてご紹介しました。
裏側矯正には、リンガル矯正とハーフリンガル矯正の2つの種類があるとお話しましたが、今回はこの2つの裏側矯正の特徴についてそれぞれご紹介します。
リンガル矯正の特徴
裏側矯正のうち、上顎下顎ともに裏側に装置を付けて矯正する方法をリンガル矯正と言います。
リンガルとは英語で”舌側”という意味です。
上顎下顎のすべての歯列を裏側から矯正するので、フルリンガル矯正とも呼ばれます。
≪リンガル矯正のメリット≫
リンガル矯正のメリットは次のような点が挙げられます。
・上下ともに矯正装置が見えにくい
・前歯が引っ込みやすくなる
・舌癖(ぜつへき)防止になり、後戻りしにくい
舌癖とは、舌で歯を押したり、歯で舌を噛んだりなどの、癖のこと。
舌壁が歯並びに影響を与えている場合、その舌壁も矯正とともに修正していかないと、治療完了後に歯並びが元に戻りやすい(後戻りしやすい)です。
リンガル矯正の場合は、歯の裏側に付いた装置に触れないように舌の位置を修正するなど、舌癖を直しやすいといった点もメリットと言えるでしょう。
≪リンガル矯正のデメリット≫
反対にデメリットと考える点は以下の通りです。
・舌が矯正装置に当たるため、最初は違和感を持ちやすい
・発音がしづらい場合がある
・歯磨きがしづらい
やはり、舌側に装置が付いているので、舌で触れやすく、違和感を持ちやすいのでしょう。
装置によく当たる舌の部分に炎症ができ、痛みを感じてしまうこともあるようです。
また、歯の裏側は自分ではなかなか見えないところである上、装置が付くと更に歯磨きのしづらさを感じることがあるでしょう。
装置を付けた状態のケア方法をしっかりとマスターし、また定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることが大切です。
ハーフリンガル矯正の特徴
ハーフリンガル矯正とは、上顎は裏側矯正、下顎は表側矯正というように、上顎下顎で装置を付ける面を変える矯正方法です。
笑った時などによく見える上の歯の表側には装置はついていないので、ハーフリンガル矯正も比較的目立ちにくいと言われています。
≪ハーフリンガル矯正のメリット≫
ハーフリンガル矯正のメリットは次のような点が挙げられます。
・よく目立つ上の歯の表側には装置がないので、矯正中であることが目立ちにくい
・上の前歯の出っ歯矯正に向いている
・下側は表側矯正なので、装置が舌に触れにくい
・リンガル矯正よりも矯正費用は安くなる傾向がある
舌が良く触れる下側の歯の裏には矯正装置が付いていないので、舌への違和感や発音のしにくさはリンガル矯正よりも少ないと言えるでしょう。
≪ハーフリンガル矯正のデメリット≫
反対にデメリットと考える点は以下の通りです。
・下側は表側矯正のため、装置は目立つ
・すべて表側矯正を行うよりは、矯正費用が高くなることがある
口角を上げて笑ったくらいであれば、下の歯列の表面に付いた装置が見えることはありませんが、やはり話していたり、大きく口を開けると装置は見えます。
また、リンガル矯正よりも費用が抑えられることが多いものの、表側矯正と比べると高くなることもあります。
リンガル矯正とハーフリンガル矯正の比較
裏側矯正のリンガル矯正とハーフリンガル矯正。
この2種類を比較してみましょう。
≪目立ちにくさ≫
目立ちにくさで比較すると、やはり上顎下顎両方の装置を裏側に付ける、リンガル矯正の方が目立ちにくいです。
ハーフリンガル矯正の場合、口を大きく開けた時、食べる時、話している時など、下の歯の装置は見えます。
≪矯正中の生活≫
裏側に装置を付けていると、どうしても装置は舌に当たります。
そのため、慣れるまでは発音がしづらい、食べづらいなど、違和感はあるでしょう。
どちらかというと、舌は下の歯に当たることが多いため、リンガル矯正の方がこのような違和感が多いことが考えられます。
また、歯磨きなどのケアのしづらさはどちらも同じです。
見えにくい部分のケアは、リンガル矯正、ハーフリンガル矯正ともに気を付けながら、丁寧にしましょう。
≪矯正費用≫
矯正費用は、先述したように上下ともに裏側に装置を付けるリンガル矯正の方が高くなります。
目立たない装置がいいけれども、矯正費用も抑えたいのであれば、ハーフリンガル矯正を選択肢に入れるといいでしょう。
まとめ
裏側矯正では歯の裏側に矯正装置を付けるため、口を開けた時に目立ちにくいというメリットがあります。
装置が目立つことが矯正治療のネックになっていた方にとっては、矯正方法の候補の1つとして考えられるでしょう。
また出っ歯矯正などにも向いています。
しかし、表側矯正と比べると、まだ一般的な治療方法ではないとも言えます。
裏側矯正を希望する際は、対応可能であるか、治療を受ける予定の歯科医院で相談してみましょう。