いざ歯並びを整えたいと思っても、虫歯や歯周病があると治療が受けられるのか気になりますよね。まずは前編でお伝えした通り、歯列矯正を行うためにはお口を健康な状態にすることが大切です。
しかしまだ安心してはいけません。せっかく理想的な歯並びを手に入れるのですから、矯正中も虫歯や歯周病にならないことが大切です。そこで今回の【後編】では、矯正中に虫歯や歯周病にならないための予防についてお伝えします。
矯正治療中に行う虫歯や歯周病の予防
歯列矯正は、保定期間まで含めると数年かかることもある治療です。そのため、注意を怠ると矯正中に虫歯や歯周病になってしまう可能性があります。病気になってしまった場合、程度によっては矯正治療を中断することもあるので適切なケアを心がけましょう。
適切なブラッシングを行う
虫歯や歯周病を防ぐためには、歯垢や歯石をしっかり除去することが大切です。自分では磨いているつもりでも、実は正しくブラッシングできていないというケースも珍しくありません。特にワイヤー矯正は、歯の隙間やブラケット、ワイヤー周りまでしっかり磨きましょう。
一方で、マウスピース矯正は装置(アライナー)を取り外せるのでケアしやすいですが、アライナーの取り扱いに注意点があります。
・アライナーを装着するタイミング
虫歯や歯周病を予防するためには、アライナーを装着する前に歯磨きを行うことが大切です。食後に歯磨きをせずアライナーを装着すると、糖分や細菌が閉じ込められてしまう可能性があります。そのため、食後はすぐに歯磨きを行うか、外出時などは歯磨きの際にアライナーも洗浄するようにしましょう。
・矯正中の飲み物について
マウスピース矯正中は、飲み物にも注意が必要です。例えばジュースやカフェオレなど、甘いものを飲むと装置と歯の間に糖分が入り込んでしまいます。そのため、矯正中はジュース類を控えるか、飲んだ場合は歯磨きとアライナーの洗浄を行ないましょう。
クリニックでクリーニングを行う
日々のケアをしっかり行なっても、ご家庭ですべての汚れを除去することはできません。特に、歯垢が歯周ポケットに入り込んでしまうと虫歯や歯周病にかかりやすくなります。そのため、矯正中は定期的に通院し、クリニックでのケアがとても重要になります。
生活習慣の見直し
日々の歯磨きとクリニックでのケアを行なっても、病気にかかりやすいケースがあります。定期的にケーキやお菓子を食べる習慣がある方は、虫歯リスクが高くなるので注意しましょう。また、喫煙者の方は吸わない人よりも歯周病リスクが高まる傾向があります。歯の健康を踏まえると、矯正中だけでなく矯正後もタバコは控えることをおすすめします。
歯列矯正を受けると虫歯や歯周病になる?
一部では、「矯正治療を受けたことで歯周病になった」という意見を耳にすることがあります。まず結論からお伝えすると、歯列矯正によって虫歯や歯周病になるということはありません。一般的には、矯正治療を行うと日々のケアがしやすくなるため虫歯や歯周病にかかりにくくなります。もし、矯正中にこれらの病気にかかってしまった場合、今回ご紹介した注意点を改めて見直してみましょう。
虫歯や歯周病でも歯列矯正できるの?「まとめ」
今回は虫歯や歯周病の方が行う歯列矯正についてご紹介しました。
前編でもお伝えした通り、歯列矯正を行うためには口腔内が健康な状態であることが大切です。お口の中に病気がある場合は、まず歯列矯正の前に病気の治療を行う必要があります。また、矯正中もしっかりとケアを行ない、虫歯や歯周病にかからないようにしましょう。
当院では、矯正担当医でもある院長が「日本歯周病学会認定医」の資格を保有しています。そのため、「歯並びを整えたいけど、虫歯や歯周病になった経験がある」という方でも安心してご相談ください。