「受け口」を治したい!そもそも受け口とは?どのような治療があるの?【前編】 銀座
2022年01月4日
上の歯よりも下の歯が前に出て噛み合わさっている受け口。
受け口の場合、見た目の不自然さが気になると言うケースが多いですが、その他にもデメリットが多いことをご存知でしょうか。
そのため、特にお子さんの受け口は早期に治療して解決した方がいいと言われています。
今回は受け口とはどのようなものか、受け口のデメリットはどのようなものが存在するかについて紹介するとともに、治療法などにも触れたいと思います。
受け口とは?
受け口は、下の歯が上の歯よりも前に出て、噛み合わさっている状態のことです。
反対咬合(はんたいこうごう)、下顎前突症(かがくぜんとつしょう)とも呼ばれています。
成長と共に治療が難しくなるケースも多いと言われているので、早めの治療が大切です。
【受け口のタイプ】
受け口には大きく分けて2つのタイプがあると言われています。
・歯槽性タイプ
歯槽性タイプは、歯の位置に異常があり、受け口になっているタイプのこと。
下の歯が前に傾いて生えていたり、反対に上の歯が本来の位置よりも内側に生えている、もしくは内側に傾いているケースです。
・骨格性タイプ
骨格性タイプは下顎の骨が前に出ていたり、上顎よりも大きいため、受け口になっているタイプのことです。
下顎は上顎よりも遅れて成長し、身長が伸びる成長期にぐんぐん大きくなりますが、本来であれば先に成長していた上顎に抑えられ、上顎よりも大きくなりません。
しかし、成長期前から受け口だったというケースでは、上顎の成長を下顎が抑えたり、下顎が抑えられることなく大きく成長し、受け口になってしまうことがあります。
【受け口の原因】
受け口の原因には次の3つが主に考えられています。
・原因①遺伝
骨格性の遺伝が受け口の原因になっている場合は多いです。
下顎が大きい、上顎が小さいなどの骨格は遺伝しやすいためです。
・原因②癖
無意識のうちに下の顎を前に出す癖、舌が下の前歯を前に押す癖がある場合、それが原因で受け口になる場合もあります。
特に口呼吸の習慣がある場合は、舌が下の前歯を押し出していたり、深く息を吸う際に下顎を突き出す癖のある方もいます。
また、指しゃぶり、噛み癖などの習慣も受け口に繋がりやすいと言われています。
・原因③歯の生え方(歯槽性タイプ)
受け口のタイプの時にもご紹介しましたが、骨格自体には問題がないものの、歯の並び、歯の位置に問題があり、それが原因で受け口になっている場合があります。
この原因の場合、骨格自体には問題はありませんが、成長期前の早期治療が大切だと言われています。
なぜなら、下顎が成長する際に上顎に成長を抑制されることなく大きく成長してしまったり、上顎の成長を妨げたりなど、骨格性タイプの受け口になる可能性があるからです。
受け口のデメリット
受け口をそのままにしておくと、以下のようなデメリットが引き起こされる場合もあります。
【デメリット①咀嚼機能の低下】
前歯の噛み合わせに問題があるため、食べ物を前歯で噛みちぎることができない場合があります。
咀嚼機能の低下は、単に食べにくいというだけでなく、うまく食べ物を細かくできないことで、消化不良を起こしやすくなります。
嚥下もしづらく、お子さんの場合は、体の発育に影響が出ることも。
【デメリット②発音しにくい】
発音は舌の動き、前歯の状態が大きく関わります。
受け口の場合、前歯の状態が通常と反対であることに伴い、噛み合わせた時に上下に隙間ができたり、舌の動きが不自然になるなどすることから、発音に影響しやすいです。
特に「サ行」「タ行」の発音がしづらいケースが多く見られます。
【デメリット③審美性の問題】
受け口は下顎が前に出ていることが口を閉じた状態でもわかりやすい場合もあり、「しゃくれ」「顎がしゃくれている」などと言われ、気にしてしまう方も多いようです。
また、口を開けた際に前歯の噛み合わせが通常と逆であることから、違和感を抱かれたり、自分でも気になり、コンプレックスにつながってしまうこともあるでしょう。
【デメリット④顎の痛み・顎関節症に繋がりやすい】
受け口が原因で噛み合わせが悪いと、顎関節に負担がかかりやすいです。
その結果、顎の痛みや顎関節症を引き起こしやすくなります。
【デメリット⑤全身の痛みに繋がりやすい】
また、下顎は首や肩、腰などの体の軸となる骨と関係性の高い部分です。
その下顎が受け口によって噛み合わせが悪くなると、関節痛や肩こり、腰痛などに繋がることもあります。
今回はここまでにします。
次回は受け口の治療法についてと、受け口を治療するメリットについてご紹介します。