「噛み合わせが深い(過蓋咬合)」場合の治療法とは?【前編】 銀座
2022年03月30日
上下の歯を噛み合わせた際、上の歯が下の歯を覆ってしまい、下の歯が全く見えないということはないでしょうか。
そのような状態を過蓋咬合(かがいこうごう)と言います。
通常では下の歯が少なくとも、歯の長さの4分の1程度見えているのが理想ですが、過蓋咬合、つまり噛み合わせが通常よりも深い場合、下の歯に上の歯が被さってほとんど見えません。
過蓋咬合であることで、自分では特に痛みを感じたり、違和感を持ったりすることは少ないかもしれませんが、実は過蓋咬合のデメリットが存在するのです。
今回は過蓋咬合とは具体的にどのようなものであるか、また過蓋咬合によるデメリットはどのようなものなのかを紹介していきます。
過蓋咬合とは?
過蓋咬合とは、上の歯が深く噛み合わさり、深くなった状態のことを指します。
ディープバイトとも呼ばれる、不正咬合の1種です。
【過蓋咬合の原因】
過蓋咬合の原因には以下のようないくつかの原因が考えられます。
・上顎に対して下顎が後方にある(顎の発育バランスが悪い)
・噛みあう力が強すぎる(歯ぎしりや食いしばり)
・上の前歯が大きく下に伸びている
・乳歯の奥歯を早期に失ったため、永久歯の奥歯が沈んで生えている
・永久歯の先天的欠如
などが考えられます。
過蓋咬合を放置しておくことのデメリットは?
過蓋咬合であることは、どのようなデメリットを生じさせるのでしょうか。
【デメリット①顎関節症の原因に】
まず、過蓋咬合の場合、噛み合わせが正常ではなく、通常より深く噛み合わさっていることで、顎の関節に負担がかかりやすいです。
特に上顎が下顎に大きく被さり、下顎の動きを制限し、関節に大きなストレスを与えることがあります。
この関節への負担は、顎関節症へつながることがあります。
【デメリット②肩こりの原因に】
噛み合わせがよくないため、歯ぎしりがうまくできず、顎の関節だけでなく、首や肩などのこりの原因になることもあります。
全身のバランスも崩しやすく、自律神経に影響が出る方もいます。
【デメリット③奥歯がすり減りやすい】
噛み合わせが深いため、奥歯には大きな負担がかかりすく、すり減りやすい状態です。
結果的に年齢を重ねると歯を失ってしまう可能性も出てきます。
かつ、抜けた個所に入れ歯やインプラント、また奥歯が虫歯になって詰め物や被せ物をしたとしても、噛み合わせが深いと強い力がかかり、詰め物がとれてしまったり、入れ歯やインプラントの脱離を繰り返すことになることがしれません。
【デメリット④上の前歯への負担が大きい】
歯を噛み合わせたときに、下の前歯が上の前歯に強く当たる場合もあり、そのケースでは上の前歯への負担が大きくなります。
下の歯に押し出され、上の前歯が前に飛び出し、出っ歯になることがあります。
【デメリット⑤口内炎になりやすい】
下の前歯が上の歯の歯茎に当たっている場合は、炎症を起こし、口内炎になることもあります。
今回はここまでにします。
次回、デメリットの多い過蓋咬合の歯並びを治療するには、どのような治療法があるのかを紹介していきます。