歯並びの「中心線にずれがある」場合の治療法とは?【前編】 銀座
2022年05月31日
口を開けて、”イ”の口の形にし、鏡を確認してみてください。
上の前歯2本と、下の前歯2本の隙間を線でつないだ時、まっすぐに線がつながっているでしょうか。
この前歯の線のことを中心線(または正中線)と呼びます。
理想的な歯並びは、中心線が上下でつながっていて、”ずれ”がない状態です。
また、この中心線を軸として、左右対称の歯並びであることが理想的だと言われています。
歯並びはガタガタ、デコボコしているわけではなく、一見きれいな歯並びの場合でも、この中心線にずれがある場合は要注意。
なぜなら中心線がずれている場合、様々なデメリットが存在するからです。
もし、中心線にずれがある場合では、治療は可能なのでしょうか。
今回は中心線のずれとはどのような状態であるかとともに、治療法等をご紹介します。
中心線の”ずれ”とは?
中心線のずれとは、先述したように、前歯2本の間の隙間が上下でずれている状態を指します。
また、顔の鼻筋を軸に縦に1本線を引いたとき、歯の中心にずれがある場合も、中心線がずれている歯並びだと言われることもあります。
【中心線がずれる原因】
中心線がずれている原因として次のようなものが考えられます。
《原因①歯の大きさが左右異なるため》
歯の大きさが左右で異なると、大きい方の歯が小さい歯の方へずれてくることも。
そのため中心線が左右どちらかにずれたり、左右非対称の歯並びになることがあります。
《原因②左右で歯の数が異なるため》
また、左右の歯の数が異なることも、中心線のずれの原因になります。
先天性欠如歯など、何らかが原因で左右で歯の数が異なると、ない歯の位置へ隣の歯が傾くなどした結果、中心線がずれることがあります。
《原因③歯の生え方が左右で異なるため》
歯の生え方も原因の一つです。
歯がまっすぐ生えてくれば問題ありませんが、斜めに生えてきたり、傾いていたりする場合には中心線がずれて見えることがあります。
《原因④顎の骨の大きさが上下で異なるため》
顎の大きさが上下で異なることも原因として考えられます。
下顎の方が上顎よりも大きい、また下顎が小さすぎるなど…
元々の骨格が中心線のずれを作っている可能性もあります。
《原因⑤顔のゆがみがあるため》
左右で目の大きさが違う、口が左右どちらかに偏っているなど、人の顔は左右対称ではないことの方が多く、程度は個人差がありますが、顔のゆがみがあります。
そのゆがみによって、中心線がずれていることも考えられます。
中心線のずれによるデメリットとは?
中心線がずれていると、どのようなデメリットがあるでしょうか。
【デメリット①見た目の悪さ】
前歯の中心がずれ、左右非対称の歯並びは見た目に影響します。
違和感を持たれやすく、自分でもコンプレックスとなりやすいのがデメリットといえるでしょう。
【デメリット②噛み合わせが悪い】
中心線のずれは噛み合わせにも影響を及ぼします。
前歯では主に食べ物を噛みちぎりますが、噛み合わせのせいで上手く嚙みちぎれないこともあります。
また、前歯のずれが奥歯まで影響している場合は、奥歯の噛み合わせも悪く、食べ物をよく噛めないというデメリットも。
よく噛まないまま飲み込んでしまうと、胃腸に負担をかけ、体調へも影響することがあります。
【デメリット③虫歯や歯周病の原因に】
中心線のずれが歯の重なりや傾きなど、歯並びの悪さに大きく影響している場合、歯並びが複雑なところに食べ物のかすが残りやすかったり、歯磨きなどの口腔ケアがしづらかったりします。
それが虫歯や歯周病の原因につながることもあります。
今日はここまで。
次回は、中心線がずれている場合、治療法はどのようなものがあるのか、また治療することのメリットなどをご紹介します。