部活動(運動)や楽器演奏(吹奏楽)をしてても矯正治療はできますか?【前編】 銀座
2021年06月28日
「部活動(運動)や楽器演奏(吹奏楽)をしてても矯正治療はできますか?」
こちらは中高校生のお子さんをお持ちの親御さんから多い質問です。
歯並びが気になり、今後のことを考えて今のうちに歯列矯正した方がいいのでは?と考えるものの、部活動に影響が出るのではと心配される方が多いようです。
結論から申し上げますと、運動や吹奏楽など楽器の演奏をしていても歯列矯正は可能です。
しかし、一般的な歯列矯正である”ワイヤー矯正”は勧められないことが多いでしょう。
今回はなぜ部活動をしている子どもにワイヤーを使った矯正が向かないのか、またどのような矯正であれば可能なのかをご紹介していきます。
部活動(運動)や楽器演奏(吹奏楽)をしているとワイヤー矯正は不向き?
【部活動(運動)の場合】
運動をしていると、様々な場面で衝撃を受けることがあります。
ボールや競技器具が当たる、また人とぶつかる、転んで衝撃を受けるなどです。
特に顔回り口周りに衝撃を受けると、口の中に矯正装置があたり傷ができてしまうことがあります。
大した衝撃でなくても、装置を付けていることで、大きな傷に繋がります。
また、ワイヤー装置は運動中の強い衝撃に耐えられるようには作られていません。
ふとした衝撃で、運動中に装置が外れたり、壊れたりするリスクがあります。
体育の授業程度であれば問題ありませんが、激しい運動をする場合はワイヤー矯正を勧めないケースも多いようです。
【楽器演奏(吹奏楽)の場合】
運動部ではなく、楽器の演奏を行う吹奏楽部の場合はどうでしょうか。
一言で楽器演奏と言っても、ピアノやパーカッションなどの打楽器などの演奏にはほとんど影響ありません。
しかし、管楽器など、吹いて音を出す楽器を演奏する場合は、ワイヤー矯正は向いていません。
特に金管楽器(トランペット、トロンボーン、チューバ、ホルンなど)は、マウスピースを唇にあてて演奏します。
その際に器具が口唇の裏側に当たったり擦れたりし、痛みを感じたり、傷がついてしまうことが考えられます。
マウスピースの大きさが小さいほど、その影響は大きいものです。
リードを使って演奏するクラリネットやサックスなど、また唇を震わせて演奏するフルートやピッコロなどの場合は、金管楽器と比べると直接口唇に楽器をあてるわけではありません。
しかし、歯の表面の凹凸が大きいと、演奏する際に違和感を持つことはあるでしょう。
早めに矯正治療を始めた方がいい理由とは?
運動や楽器演奏を行う方はワイヤー矯正は向いていない理由をご紹介しましたが、それならば部活動を引退した後、運動や楽器の演奏を辞めた後に矯正を始めればいいのではと考える方も多いと思います。
しかし、歯列矯正はできれば早めに始めた方がいいと言われています。
その理由には以下のようなものが考えらえます。
【理由①成長期である】
まずは部活動で運動や楽器演奏を行う方が中高生の場合、成長期真っ只中。
成長期は、骨の代謝が活発で、顎の骨も成長過程の段階です。
そのため、歯の動くスピードが速く、成長期が終わってからでは難しい顎骨の治療も可能な時期。
大人よりも治療を短く終わらせることができることから、できれば成長期のうちに治療を開始したい理由の1つとなるでしょう。
【理由②悪化を防ぐ】
また、歯並びや噛み合わせは生活習慣が大きく関係します。
つまり、放置しておく期間が長いほど、歯並びや噛み合わせが悪くなってしまう可能性があるということ。
歯列や噛み合わせの状態は、顎関節症や肩こり、顔の歪みなど、様々な症状に繋がっています。
そうなる前に、早い段階で治療をしておくことで、悪化を防ぐことができます。
【理由③虫歯や歯周病の予防ができる】
歯並びが悪いと、歯磨きなどのケアが行き届かないことも多く、虫歯や歯周病のリスク要因となります。
そのリスクを減らしながら、適切な口腔ケアを行っていくことで、口臭の予防にも繋がります。
【理由④矯正することでパフォーマンス力が上がることも】
運動することにおいて、歯並びや噛み合わせは無縁ではありません。
噛み合わせが悪いと、体の重心のバランスにも影響することがあるため、矯正治療で整えることで、体のパフォーマンス力もアップすると考えられています。
また、先述したマウスピースを使う金管楽器の演奏においては、歯並びにデコボコが多いよりは整っている方が、拭きやすいという場合もあるようです。
【理由⑤中高生の場合、比較的時間に余裕がある】
部活動や勉強、習い事の他、友人と遊びに出かけたり、恋愛などにも忙しい中高生。
時間に余裕があるなんて逆なのでは?と思われるかもしれません。
しかし、進学や就職で1人暮らしなど、新生活が始まってからの方が、実は余裕がないものです。
忙しさを理由に、通院やホームケアがおろそかになり、せっかく始めた矯正治療がうまく進まないケースも。
その点、中高生の間は親御さんと一緒に生活しているケースがほとんどです。
親御さんが通院を促したり、治療方針やホームケアなども本人はもちろん親御さんが理解をしていれば、治療もスムーズに進みやすいです。
今日はここまでにします。
次回は今回の内容を踏まえ、部活動や楽器演奏をしている方にはどのような矯正方法がおすすめなのかを紹介していきます。