噛み合わせの治療法と歯列矯正費の基準【前編】
2023年06月26日
こんにちは。スウェーデン矯正歯科です。
突然ですが、皆さんはご自分の噛み合わせに自信はありますか?
いきなりこう問われても、そもそも自信の持てる噛み合わせとはどんな状態なのか、どのように噛んでいるのが正解なのかがわからないと答えようがありません。また、仮に噛み合わせに自信がないと感じていても、治療で治したほうがいいのか、どのぐらい費用がかかるのかがわからずそのまま放置している方も少なくないでしょう。
そこで今回は、噛み合わせが悪い原因やそれによって起こりやすいトラブル、さらにその治療法や矯正治療でかかる費用などを前編・後編の2回に分けてご紹介します。
前編は以下についての解説です。
・良い噛み合わせの基準
・噛み合わせが悪くなる原因
・噛み合わせが悪いと起こりやすい症状・トラブル
良い噛み合わせの基準
矯正歯科で理想とする噛み合わせの基準は多岐にわたりますが、ここでは代表的なものを3つご紹介します。自分の噛みあわせがどのくらい当てはまるか、ぜひチェックしてみてください。
①上下の前歯の中心(正中)の位置
上下の歯を噛み合わせたときに、上の前歯の中心(正中)と下の前歯の中心が縦に一直線にそろっているのが理想的な噛み合わせの第一条件です。この中心がずれている場合は、あごが左右のどちらかに歪んでいる可能性があります。
②上下の前歯の位置関係
理想的な噛み合わせでは、上下の歯を噛み合わせたときに上の前歯が下の前歯よりも2~3㎜ほど前方に位置します。さらに、上の前歯の先端が下の前歯に2~3㎜ほど覆い被さるのが合格ラインです。
③奥歯の噛み合わせ(1歯対2歯)
上下の歯を噛み合わせたときに、上の奥歯の1本が下の2本の奥歯(下の奥歯の1本が上の2本の奥歯)の間に噛みこんでいると、食べ物がバランスよく噛めます。この状態を歯科では「1歯対2歯の噛み合わせ」と呼んでいます。
噛み合わせが悪くなる原因
生まれつきによるもの(遺伝)
子どもの顔が親に似ることからもわかるように、あごの形や大きさ、噛み合わせには遺伝的な要因も大きく関係します。また、生まれつき歯の数が少なかったり、あるいは多かったりする場合も噛み合わせが悪くなります。
口呼吸
口呼吸をすると上あごが十分な大きさに広がらず、歯並びや噛み合わせが悪くなってしまいます。これは、口呼吸によって本来は上あごに位置する舌が下方(下あご側)に下がってしまうためです。上あごは唇と舌から受ける力のバランスで適切な大きさに整えられますが、口呼吸により舌から受ける力が弱くなると、正しい大きさに育たなくなります。
悪習癖(爪を噛む・頬杖・舌を前に突き出すなど)
噛み合わせは普段何げなくやってしまうクセによっても影響を受けるため注意が必要です。例えば、頬杖をつくクセのある人は、あごに外側から余計な力が加わることで噛み合わせにズレを生じやすくなります。このように噛み合わせを悪くするクセ(悪習癖)はほかにも、「爪を噛む」「唇を噛む」「舌を前に突き出す」「指しゃぶり」などがあります。
むし歯・歯周病
むし歯で歯が大きく欠けたり、歯周病で歯がグラグラ揺れたりするのも噛み合わせを悪くする原因になります。また、むし歯や歯周病が原因で歯を失った場合、抜けたままの状態で長く放置すると空いているスペースに向かって歯が傾いたり動いたりして、噛み合わせが悪くなります。
歯科治療
歯科治療で入れる詰め物や被せ物、入れ歯などの形状が不適切な場合、噛み合わせの異常を生じてしまうことがあります。
噛み合わせが悪いと起こりやすい症状・トラブル
自分ではあまり気にならなくても、悪い噛み合わせをそのまま放置すると、以下のようなリスクをともなうため注意が必要です。
顔の歪み
左右いずれかの噛み合わせが悪くてものが噛みづらいと、噛みやすいほうばかりで食事をする傾向が強くなります。そうすると口周りの筋肉のバランスも悪くなり、顔に歪みが生じてしまうことがあります。
顎関節症
噛み合わせが悪いとあごの関節に大きな負担がかかります。その状態が長く続くと、「口が開けにくい」「口を開けると音がなる」といった顎関節症を引き起こしやすくなります。
肩こり・頭痛などの不調
上下の歯が正しい位置で噛み合わないと、それらを支える筋肉のバランスも崩れていきます。そして、そのバランスの変化はやがて周囲の首や肩の筋肉にも影響が及び、首のコリや肩こりを引き起こすことになります。さらに、首や肩の筋肉の緊張によって首まわりの血流が悪くなると、それが頭痛の引き金になることもあるため注意が必要です。
歯周病
上下の歯が均等に噛み合わず、一部に噛む力が強くかかるような噛み合わせでは、噛みこみの強い部分ほど歯ぐきや骨への負担も大きくなります。これにより、他の部分よりも歯周病の発症や進行のリスクが高くなります。
前編では、噛み合わせが悪くなる原因やそのリスクを中心に解説しました。後編では、噛み合わせを治す治療法やその費用などをご紹介していきます。