11月の院内ディスプレイ
2022年11月5日
最近は日中暖かい日が続き、お散歩に出かけたくなりますね。
今月の院内ディスプレイは、ムーミンたちと秋の様子です。
2022年11月4日
患者様から多く頂く質問があります。
それは、「矯正治療で使用するゴムは何を食べると色が付きますか?」という内容です。
そこで今回は特に色が付きやすい食べ物・飲み物をご紹介します。
食べ物部門
中でも1番強力なのが、『カレー』です!1度食べるだけでゴムが黄色に着色してしまいます。
新しいゴム(赤枠)と、カレーなどを食べた後のゴムを比較してみました。写真で見ると一目瞭然ですね。
ですので、私が矯正治療中の時は、調整日の3日程前からカレー祭りを毎月開催していました。
他にも、トマトソース・イカ墨・キムチなどが着色しやすいです。
飲み物部門
飲み物の中では、色が濃いコーヒー・紅茶・赤ワインなどが着色しやすいです。
個人的に、飲み物はカレーに比べれば着色は控えめだったと思います。
私が矯正治療中は気にせずにコーヒーを毎日飲んでいました…。
大切なイベントを控えているのに、ゴムに色が付いてしまった…!等のようにお困りの場合は、月一度の調整の前にゴム交換を致しますのでお気軽にご相談下さい!
2022年09月20日
前回は大人と子供の矯正の違いについてや、子供のうちに矯正した方がいい理由について紹介しました。
子供のうちの中でも早期に矯正治療を始めるメリットは多いですが、具体的にどのように矯正するのか気になるところですよね。
今回は子供の矯正方法とはどのようなものがあるのか、大人とは異なる点について紹介していきます。
子供が矯正するタイミングは、大きく分けて2つあります。
乳歯と永久歯が混合する混合歯列期と、永久歯に生え変わった永久歯列期の2つです。
それぞれ、どのような治療になるのか説明します。
まず1つ目の矯正タイミングは、乳歯から永久歯に生え変わり始める、混合歯列期と呼ばれる時期です。
個人差はありますが、6歳~10歳くらいの時期が矯正を始めるのに良いタイミングと言えます。
永久歯に生え変わることで、顎も成長するため、顎が一生のうちに大きく動く時期です。
そのため顎の成長を矯正治療に利用でき、歯並びだけはなく、顎の幅を広げたり、バランスを整える治療もできます。
・拡大床(取り外し可能な装置。顎の横幅を広げて、歯の並ぶスペースを確保する)
・急速拡大装置(固定式の拡大装置。歯の並ぶスペースを確保する)
・小児期用マウスピース型矯正装置(インビザラインファーストなど。歯並びを整える)
・歯列後方移動装置(奥歯を後方に移動させ、歯の並ぶスペースを確保する)
・リンガルアーチ(舌側弧線装置。顎の成長を促し、噛み合わせ改善等に使われる)
など。
同時に舌癖や口呼吸などの歯並びに影響を与える癖がある場合、その癖を直していくためのトレーニングをする場合もあります。
2度目の矯正治療を始めるのに良いタイミングは、永久歯が生え揃う12歳以降の永久歯列期です。
ただし、この時期に顎骨の成長は完了することが多いので、主に歯並びの治療が中心となります。
矯正方法は大人の矯正方法とほとんど変わりません。
永久歯が生え揃ったことで、全体的な歯並びや噛み合わせを調整していきます。
混合歯列期に治療を始めていない場合は、抜歯をしてからの治療になる可能性もあります。
・ワイヤー矯正(表側・裏側)
・マウスピース矯正
など
子供が矯正治療をする際には、大人の矯正治療と異なり、次の点に注意が必要です。
子供の場合は歯磨きなどの口腔ケアが子供自身だけでは十分にできない場合があります。
特にリンガルアーチや急速拡大床、ワイヤー矯正などに使われる固定式の装置をつけている場合、ブラッシングにはコツが必要です。
子供自身では十分にケアできず、虫歯や歯周病などのリスクが増えることがあります。
歯科医院で親も一緒にブラッシング指導を受け、仕上げ磨きや歯磨き後のチェックをしてあげるようにしましょう。
子供の矯正は治療期間をよく考慮し、開始時期を決める必要があります。
受験や部活で忙しい時期など、子供が矯正をすること、通院を負担に思うタイミングでの治療は避けたいところ。
矯正を始めたはいいものの、治療が続かなくなる可能性があるので、治療にかかる期間を考えて、負担なく治療に入れるタイミングを子供とも相談しながら選びましょう。
子供の矯正は大人の矯正とは異なる部分があります。
一番大きな違いは、子供の成長力を利用した矯正であるか、そうでないかです。
子供の治療は成長力を活かした治療ができるため、大人よりも治療期間が短く、複雑な治療になりにくいです。
特に乳歯から永久歯に生え変わるタイミングである、混合歯列期に治療を始めることで、将来的な矯正治療における抜歯のリスクを減らすことができます。
このように早期に治療を開始することのメリットは大きいため、歯並びについて気になった時点で、早めに歯科医院へ相談するといいでしょう。
2022年09月15日
子供の歯並びが気にある場合、小児矯正を考えることがあると思います。
しかし、まだ成長途中の子供なので、歯の生え代わりや身体の成長もあるため、大人とは治療法が異なるのか気になるところですね。
子供のなのに、歯に矯正装置を装着するのはかわいそう、管理が難しそうと感じる方もいるかもしれません。
しかし、矯正治療は子供の頃から、またできるだけ早期に始めた方がいいと言われています。
これは、どのような理由からでしょうか。
今回は子供の矯正治療について、大人の矯正との違いや、早期の矯正治療が良いされている理由をまとめました。
子供の矯正と大人の矯正の違いは、まさに「成長中」であるか、そうでないかです。
子供は歯が乳歯から永久歯へ生え変わったり、顎自体も成長していきます。
そのため歯も動きやすく、顎の骨も柔らかいため、その成長を利用した矯正治療が可能です。
大人の場合は生え代わりや顎骨の成長は終わっています。
同程度の歯並びを矯正する場合は、子供の方が治療しやすいため、矯正は子供のうちに始めておくのがいいと言われています。
矯正を子供のうちに始めておくのには、いくつかメリットがあります。
子供は大人に比べて顎や関節が成長途中であるため、軟らかいです。
そのため、同じように歯を動かすにしても、大人よりも歯が動きやすく、動かしたいと思う方法へ矯正しやすいと言えます。
歯が動きやすい分、矯正治療における痛みも少ないのもメリットの1つでしょう。
歯が動きやすいため、大人よりも矯正期間が短く済むことが多いです。
短期間での治療が可能であれば、通院回数も減りますし、その分費用も抑えられます。
子供といっても年齢によって変わりますが、就学前から12歳頃までに始めた場合は、特に顎の骨が柔らかく、歯の並ぶスペースを作るための治療が行われることが多いです。
歯並びのスペースを作っておけば、永久歯へ生え変わった時に永久歯が綺麗に並びやすく、抜歯をするリスクが減らせます。
そのため、成長期であればいつでもいいというわけではなく、比較的早期に治療する方が望ましいとされています。
また、難症例であっても、成長していくことを見越した治療をすることにより、大人よりも簡単に治療できることもあります。
早めに矯正治療を始めると、子供の成長を利用した治療が可能なため、歯の位置はもちろん、顎の幅や上下の顎のバランスも治療可能です。
顎の成長が止まった大人と比べ、その成長力をいかし、自在にコントロールできます。
いわゆるかっこいい、かわいい顔貌に見た目のバランスも整えてあげられます。
今日はここまで。
子供のうちに、また子供のうちでも早期のうちに矯正治療をする方がメリットはたくさんあると分かりました。
そこで次回は子供の矯正はどのような方法で進めるのかについて紹介します。
2022年08月20日
前回は非抜歯矯正とはどのようなものなのか、またその方法について紹介しました。
非抜歯矯正のメリットは健康な歯を抜かないで済むというメリットの他にいくつかありますが、同時にリスクも存在します。
今日はそのメリットやリスクについて具体的に紹介していきます。
非抜歯矯正のメリットには次のようなものがあります。
非抜歯矯正のメリットは、何より健康な歯を抜かなくてもいいという点です。
虫歯や歯周病などで、抜歯する必要がある場合なら仕方がありませんが、健康な歯やちょっとした治療で残せる歯を抜いてしまうのは抵抗がある方もいるでしょう。
人生100年時代と言われ、自分の歯を何本残せるかは、将来の食生活にも関わってきます。
また、矯正の際に抜歯対象とされることの多い第一小臼歯か第二小臼歯は、抜いても機能的には問題ないと言われていますが、噛み合わせの安定のために大切な歯でもあります。
抜歯せずに済むのであれば、それに越したことはないため、歯を抜かないことは非抜歯のメリットといえるでしょう。
抜歯後は痛みや腫れに悩まされることがあります。
一時的なものではありますが、不安を抱える方もいるでしょう。
非抜歯矯正の場合は、この心配が不要です。
抜歯をするタイミングは矯正前であることが多いですが、中には矯正装置をつけてから抜歯をする場合もあります。
どちらにしても矯正治療期間において抜歯をすることになるため、抜歯のための通院が必要です。
費用は1本1万円程度かかりますが、非抜歯矯正場合にはその費用が不要です。
ただし、抜歯以外の方法で歯並びスペースを確保する際には、その分の期間と費用がかかります。
そのため、期間や費用の面だけで抜歯、非抜歯の判断はしないようにしましょう。
メリットも多いと思われる非抜歯矯正ですが、メリットばかりではなく、リスクも存在します。
リスクは大体が無理に非抜歯矯正をした際のものです。
症例によっては非抜歯矯正でも無理なく矯正はできます。
無理に非抜歯矯正をした場合のリスクは以下のようなものです。
非抜歯で無理に歯を並べると、一見歯はきれいに並んだように見えても、前歯の方が詰まった感じになり、出っ歯のようになることがあります。
その結果、口元が前に出て、「ゴリラ顔」になるというケースもあります。
無理のない非抜歯矯正であれば、このリスクはありません。
無理な非抜歯矯正をした場合には、後戻りしやすいというリスクがあります。
歯を無理に狭いスペースに並べた結果、元に戻る力が働きやすくなるのです。
後戻りの状態によっては再矯正が必要になる場合も。
ただし、矯正治療においては後戻り対策はどのような矯正方法においても必要です。
無理のない非抜歯矯正を行った場合も、リスクがないわけではないため、リテーナー等を使って後戻りを予防する必要はあります。
矯正治療において歯肉が下がってしまうリスクはあるものですが、狭いスペースに歯を無理に並べることで、そのリスクが更に高まる可能性があります。
歯肉が下がると歯が長く見えたり、知覚過敏や歯周病、虫歯が起こりやすくなるリスクも高まります。
また、歯肉が下がるのを放置してしまうと、歯が抜けてしまうこともあるので注意が必要です。
抜歯にはデメリットもあるため、それを避けるために非抜歯矯正を希望する方もいるかもしれません。
アンカースクリューなどの方法の進化により、幅広い症例で非抜歯矯正も可能になりました。
しかし、症例によってはどうしても抜歯が必要になるケースもあります。
無理に非抜歯矯正を行う場合にはリスクもあるため、自分の症例が無理なく非抜歯矯正ができるのかどうかの確認が必要です。
抜歯以外で歯並びスペースを広げる方法もいくつかあるので、医師と相談しながら最適で、納得のいく方法を見つけてください。
2022年08月15日
歯がデコボコしている叢生や出っ歯になる原因の中でも多いのが、歯の並ぶスペース不足によるものです。
そのため矯正する際にはスペース確保のために、抜歯をすることがあります。
しかし、抜歯をするということは、健康な自分の歯が抜いた本数分、減るということ。
また、抜歯した後、腫れたり痛みを感じたりするというデメリットもあります。
そんなデメリットを避けるために、抜歯を回避する非抜歯矯正が注目を集めています。
この非抜歯矯正とはどのような矯正方法なのか、またメリットやリスクについても紹介します。
非抜歯矯正とは、抜歯をせずに行う矯正方法です。
反対に抜歯をする矯正方法のことを、抜歯矯正と言います。
矯正治療では、抜歯が必要なケースと、抜歯しなくても矯正可能なケース(非抜歯矯正が適応されるケース)があります。
明らかなスペース不足が不正咬合の原因となるケースでは、抜歯をしてスペースの確保を行います。
顎の大きさに対して歯が大きいケースや、口元が出ていて口が閉じにくいケースなどです。
抜歯をする際には、噛み合わせに影響の少ない歯を抜歯します。
一般的に、犬歯の隣の第一小臼歯か第二小臼歯であることが多いです。
前歯のスペース不足を補う場合、矯正をする上で歯の移動距離が短く済むため、メリットも大きいからです。
非抜歯矯正が適応されるケースは、歯並びが大きく乱れていない、比較的デコボコの程度が小さいなど、軽度の不正咬合のケースです。
また、スペース不足とは反対に、すきっ歯などで歯並びスペースに余裕がある場合は、そのスペースを利用しながら非抜歯矯正を行うことが多いです。
その他、非抜歯で歯の並ぶスペースを確保できそうである場合も、非抜歯矯正が可能です。
歯の並ぶスペースが不足している場合には、抜歯矯正を行うと前述しましたが、最近は技術の進化により、スペース不足も非抜歯で対応できるケースもあります。
非抜歯でもスペースを確保する方法は、主に以下の方法があります。
側方拡大とは、歯列の横幅を広げ、歯列の並ぶスペースを作る方法です。
歯が内側に倒れている方や、顎の成長途中である小児矯正の際によく使われる方法です。
自分で取り外しのできる拡大床、固定タイプの休息拡大装置などの装置を使って、スペースを広げます。
奥歯を後方へ移動させ、歯並びのスペースを確保する方法もあります。
アンカースクリューという小さなネジを顎の骨に埋め込んで、これを固定減として歯を後ろに引っ張るという方法です。
アンカースクリューを使った方法はインプラント矯正と呼ばれ、後方に引っ張るだけでなく、様々な方向へ歯を引っ張ることができるため、これまで抜歯するしかなかったケースにおいて非抜歯矯正が可能になったり、難しい方向へ引っ張って歯を動かせるようになったりなど、矯正の幅を広げています。
ただし、後方へ引っ張る場合、奥歯の後方にアンカースクリューを埋め込めるような骨がない場合は、この方法は適応されません。
また、親知らずは抜歯する必要がある場合もあります。
ストリッピングとは歯を削る方法のことを言います。
歯の横側をそれぞれ片面0.25㎜以内ずつ削り、歯と歯の間に隙間を作っていく方法です。
1本につき、0.5㎜程度しか隙間はできませんが、0.5㎜×歯の本数なので、十分なスペースが確保できることもあります。
やすりやバーなどを使い、歯を削っていきます。
今日はここまでにします。
次回は非抜歯矯正にはどのようなメリットがあるのかとともに、非抜歯で矯正を進めることによるリスクについて紹介していきます。
2022年07月30日
せっかく矯正治療した歯が後戻りしてしまった…
そういうことはできるだけ避けたいものですが、前編で紹介したように様々な原因から「後戻り」してしまうこともあります。
後戻りしてしまうと、またきれいな歯並びを手に入れるためには再矯正が必要です。
今回は再矯正にはどのような方法があるのか、紹介していきます。
再矯正は、後戻りがどの程度かによって矯正方法は異なります。
また、費用に関しても初めて矯正治療を行う場合とは異なり、費用は抑えられることが多いです。
矯正を行った歯科医院で再矯正を行う場合には、後戻りの原因も考慮し、費用を決定することが多いです。
再矯正は期間も短いのが一般的です。
【部分矯正】
リテーナーを付ける期間が短かった、装着を怠った場合の後戻りは矯正治療終了後、比較的早い時期に見られます。
リテーナーは矯正直後の動きやすい歯を固定するための矯正装置のため、それを着けていない時点で歯は動いていくからです。
その動き方が少なければ、その部分だけを部分矯正も可能です。
部分矯正は歯列全体でなく、後戻りが目立つ部分だけを再矯正する方法です。
後戻りが比較的少ないケースは部分矯正が可能です。
部分矯正にはマウスピース矯正、ワイヤー矯正、裏側矯正などの種類があります。
どの矯正方法でも、全体矯正に比べて費用は掛からず、矯正期間も6ヶ月~1年で再矯正が完了することが多いです。
【全体矯正】
成長や癖による後戻りは、急な後戻りではなく、何年かかけて、また何年後かに気が付いたら後戻りをしていたということもあります。
成長の場合は、成長したことによって新たに噛み合わせが乱れてきたり、前歯が前に出ていることなどが気になってくるケースもあるでしょう。
その際には全体矯正を行う場合もあります。
癖による後戻りの場合は、MFT(口腔筋機能療法)トレーニングを矯正治療と並行して行い、再矯正後にさらに後戻りするのを予防します。
全体矯正で再矯正をする場合、かかる期間は2年程度と言われていますが、後戻りの程度によっても異なります。
具体的にどのような再矯正方法があるのか見ていきましょう。
《マウスピース矯正》
再矯正の場合はできるだけ目立たない矯正方法を希望する方が多い傾向にあります。
そのため、透明で目立ちにくい矯正装置であるマウスピース矯正も人気です。
《ワイヤー矯正》
どんな症例にも対応できる矯正方法がワイヤー矯正です。
後戻りが原因で噛み合わせ治療等も必要になったケースなどに対応できます。
一般的なワイヤー矯正は歯の表側に矯正装置やワイヤーを付けますが、それらの装置が目立つのが気になる場合は裏側矯正といって、歯の裏側に装置を付ける方法もあります。
どちらも再矯正の場合は、初めて矯正するときよりもかかる期間が短く、費用も抑えられることが多いでしょう。
後戻りは矯正治療において、誰にでも起こりうることです。
しっかりとリテーナーを付けていても、その他の様々なことが原因となり、起こる可能性もあります。
口の中の状態は加齢とともにも変わってきますし、新たな悪癖ができることもあるからです。
そのため、矯正治療は一回きりで終わり、一生涯その歯並びが保てると保証されているわけではありません。
矯正治療終了後に再矯正を受けること=失敗ではありません。
簡単な再矯正であればすぐに終わるので、気になる箇所があれば医師に相談し、定期的なメンテナンスの1つとして再矯正を考えるのもいいかもしれません。
2022年07月29日
歯列矯正治療において、失敗と考えられることが多いのが、矯正治療後の「後戻り」と言っても過言ではありません。
後戻りとは、矯正治療により理想的な位置に動かした歯が、元あった場所に戻ってしまうことです。
後戻りをしてしまうと、もう一度理想の歯列にするためには再矯正が必要です。
せっかく費用や期間をかけて矯正したのに、更に費用や期間がかかる再矯正。
今回はその後戻りしてしまった場合の再矯正について、原因や治療方法について紹介していきます。
矯正した歯が後戻りしてしまう原因には、どのような原因があるでしょうか。
【原因1.保定が不十分】
後戻りの原因の中で最も多いのが、動的治療後にリテーナー(保定装置)をつけていなかった、つけていても使用時間や方法を守れていなかったという原因です。
矯正治療完了後すぐは、歯がとても動きやすい時期。
歯を動かすときには、歯と歯茎の隙間の血管膜(歯根膜)を拡げながら少しずつ矯正装置で力をかけて動かすのですが、その血管膜は矯正直後は開いたままの状態です。
つまり、歯と歯を支える土台に隙間があると、歯は安定せず、ぐらぐらと動きます。
その血管膜が埋まり、歯が安定するまでには、6ヶ月から1年は最低かかると言われており、その間矯正した位置に歯を固定しておく装置がリテーナー(保定装置)です。
しかし、リテーナーを付けるのを怠ったり、保定期間よりも短い期間しかつけなかったなど、リテーナーの使用に不十分さがあると、後戻りをしてしまう原因となります。
また、リテーナーに何らかの不備がある場合も、後戻りしてしまうことがあります。
【原因2.悪癖】
歯を舌で前に押してしまうなどの舌癖や、食いしばり、顎の動き、口呼吸の癖の癖なども、後戻りの原因の1つです。
歯並びに影響してしまう悪癖は矯正前からある方も多いですが、矯正後もその癖が改善されていなければ、また歯並び悪化の原因になります。
舌癖や口呼吸などはMFT(口腔筋機能療法)といったトレーニングで改善することができます。
矯正中にこのトレーニングを行うことで、後戻りの予防につながります。
【原因3.治療が不十分】
歯列矯正治療ではまず歯を傾くように倒れさせ、その後歯根が動いて歯が直立になるのを待ってから、また少しずつ動かしていきます。
しかし、歯根の動きが不十分のまま治療を終えてしまうと、後戻りの原因となります。
治療終了前には、治療を終えてもいいのかをしっかり確認する必要があるのです。
【原因4.計画にミスがあった】
そもそも治療計画にミスがあった場合も、後戻りがしやすいです。
・外科手術が必要だったものの矯正治療だけで対処しようとした
・非抜歯での矯正治療に無理があった
・不適切な歯を抜歯してしまった
など。
それぞれの歯並び、顎の状態等、いろんな方面から治療計画を立てるべきところを、治療に無理が生じた場合も、後戻りしてしまう可能性が上がります。
【原因5.治療後の成長】
成長における変化を見越して治療計画を立てなかった場合も、後戻りの原因となることもあります。
特に小中高生など成長期の子どもの治療の場合は、身長の伸びとともに顎も成長します。
そのため、成長期の治療の場合は慎重に治療計画を立てる必要があります。
また、親知らずが後戻りの原因になることもあります。
親知らずの生え方によって、隣の奥歯を圧迫するようなことがあれば、後戻りの原因になりえるからです。
矯正後の歯並びを維持するためには、親知らずの生え方にも注目し、必要であれば抜歯するなどの対策が必要です。
今回はここまでにします。
次回は後編にて、後戻りしてしまった場合、どのような方法で再矯正をするのか、またかかる費用や期間について紹介します。
2022年06月29日
歯列矯正で横顔美人が目指せる…
特に出っ歯、受け口、叢生などにお悩みの方は、そのケースを改善することが、顔貌を綺麗に見せることにつながる可能性があります。
もちろん口元だけが横顔の印象の決め手ではありませんが、鼻先と顎先を結んだEラインがすっきりと整っていることは、横顔の印象を左右する大切な要素の1つです。
今回は具体的な矯正方法を紹介するとともに、それぞれにかかる期間や費用について紹介していきます。
横顔の印象を左右する、口元の悩みを改善するための歯列矯正方法には主に次のようなものがあります。
ワイヤー矯正は歯の表面や裏側にブラケットと言われる装置を取り付け、そこにワイヤーを通して歯を動かしていく矯正方法です。
幅広い歯並びのケースに対応が可能で、Eラインを整えるための出っ歯、叢生、受け口のどの治療にも向いています。
ブラケットやワイヤーを歯の表面につけると装置が目立ってしまいますが、歯の裏側に付ける裏側矯正や、ブラケットやワイヤーを目立ちにくい白や透明の装置にすることも可能です。
《期間・費用》
期間や費用は症例によって大きく異なりますが、相場は次の通りです。
・表側全体矯正…期間:2年〜3年程度 費用:70万円〜110万円程度
・裏側全体矯正…期間:2年〜3年程度 費用:100万円~150万円程度
・表側部分矯正…期間: 6ヶ月〜1年半程度 費用:40万円~60万円程度
※裏側矯正の方が技術が必要なことが多いため、少し費用が高くなる傾向があります。
透明なマウスピースを装置として使う矯正方法をマウスピース矯正と言います。
マウスピースは一定期間で交換しながら、少しずつ歯並びを整えていきます。
マウスピースは自分でも取り外し可能なので、食事中や歯磨きの時には取り外して行えるのがメリットです。
しかし、取り外している時間が長いと矯正の効果がありません。
1日20時間以上装着することが必要です。
また、複雑な歯並びの矯正には適応されない場合があります。
《期間・費用》
マウスピース矯正の場合も、症例によって期間や費用は大きく異なります。
また、マウスピースにはいくつかメーカーがあり、どのメーカーのものを使うかによっても異なりますが、相場は以下の通りです。
・マウスピース矯正…期間:2年〜3年程度 費用:90万円〜110万円程度
歯を並べるスペースが少ない場合、抜歯をしてから矯正治療に入ることがあります。
特に口元が前に出て、Eラインが崩れているケースでは抜歯が必要になることも。
しかし、最近では歯科矯正用アンカースクリューという小さなネジを歯槽骨に埋めこみ、それを固定源として歯列矯正に使用することで、抜歯をせずにできることも増えています。
また、歯並びではなく、骨格自体が要因での出っ歯、受け口の場合は外科手術をしてから、矯正治療をすることもあります。
症例によってどのような外科手術が必要になるかは異なります。
歯列矯正の方法を紹介しましたが、歯列矯正で横顔美人を目指すメリットはどんな点でしょうか。
また、デメリットはあるのでしょうか。
《①歯列を整えられる》
歯列も整えられるので、笑った時の口元も綺麗に整えられます。
正面からの顔にも自信が持てますね。
《②噛み合わせも改善できる》
歯並びとともに噛み合わせも改善することで、体の健康につながることがあります。
肩こりや首こりなどは噛み合わせが悪いことによって引き起こされることもありますし、顎関節症の原因になることも。
また、噛み合わせが悪いと食べ物をきちんと噛み切らないまま飲み込んでしまい、胃腸の負担になることもあります。
噛み合わせが改善され、しっかりと食べ物を咀嚼できるようになると、ダイエット効果が期待できることもあります。
《③口腔内のケアがしやすくなる》
歯並びが改善されると歯磨きなどの口腔内のケアがしやすくなり、虫歯や歯周病の予防にもつながります。
口腔内の健康を保てるというのも、メリットの1つですね。
《①美容整形に比べ時間がかかる》
美容整形で横顔を綺麗に見せる手術をした場合、ダウンタイムが長くかかったとしても半年程度と言われているのに対し、歯列矯正は保定期間も入れると半年以上かかることが多いです。
そのため、すぐにコンプレックスを解消できるわけではありません。
《②装置によっては目立つ》
ワイヤー矯正の表側矯正などは装置が目立ってしまうので、矯正期間はそれ自体がコンプレックスになってしまう方も。
気になる方は目立ちにくい裏側矯正やマウスピース矯正をおすすめします。
歯列矯正で、鼻を高くしたり、鼻先をすっとさせることはできませんが、口元を整えられる可能性はあります。
口元の綺麗な要素であるEラインを整えることで、横顔をシャープにすっきりと改善することは可能です。
美容整形よりも治療期間は長くかかりますが、将来の歯の健康や体全体の健康へもつながります。
横顔にコンプレックスを持っている方は、歯列矯正という選択肢も考慮に入れてみてください。
2022年06月28日
シャープな横顔の「横顔美人」に憧れる方、多いですよね。
横顔を整えるとなると、丸みを帯びたおでこや通った鼻筋が注目されがちですが、口元も重要な要素です。
一般的に理想とされる口元の基準として、「Eライン(エスティックライン)」というものがあります。
Eラインとは鼻先と顎の先を結んだラインのことで、このライン上に唇があるのが理想とされています。
横顔美人を目指して、この理想的なEラインへの美容整形を考える方もいるかもしれませんが、口元に関しては美容整形でなく”歯列矯正”で整えられるケースもあります。
今回は横顔美人になりたい方に、歯列矯正で横顔をシャープにできるケースはどのようなものがあるのか、また歯列矯正方法についてご紹介していきます。
人差し指を鼻先と顎の先に当ててみてください。
この時、人差し指に少し触れる程度が理想的なEラインができているということです。
Eラインよりも唇が外に突き出ている場合は、出っ歯や叢生、反対にEラインよりも口元が内側に入り込んでいるケースでは受け口などが考えられます。
これらのケースは美容整形でなくても、歯列矯正により、改善できる可能性があります。
Eラインよりも、口先が前に突き出しているケースは次のような歯並びであることが考えられます。
《出っ歯》
出っ歯は上顎前突(じょうがくぜんとつ)とも呼ばれ、上の歯列や歯自体が前に突き出した状態のことを言います。
原因は様々ありますが、指しゃぶりや口呼吸の習慣、舌で前歯を押す癖などによるものや、上顎が下顎よりも大きいと言った骨格自体の問題もあります。
歯列矯正では、歯列が前に出ているのを通常位置に整えます。
また、骨格自体が原因の場合、上顎前歯部歯槽骨骨切り術という外科手術を行った後に歯列矯正を行うこともあります。
《叢生(そうせい)》
歯が横に並ばす、ガタガタと生えている歯並びのことを叢生と言います。
歯が並ぶスペースが足りないことや、永久歯の生えるタイミングなどにより叢生になることが多いですが、この場合も前歯が前に出るように生えることがあります。
出っ歯と同じく、前に出ている歯列を通常位置に整えながら、歯並びも綺麗に整えていきます。
歯の並ぶスペースを確保するために、抜歯を行うこともあります。
反対に口元がEラインよりも内側に入り、口元が凹んでいるように見えるケースや鼻先よりも顎先が出ている場合、次のことが考えられます。
《受け口》
受け口とは下顎が上顎よりも前に出ているケースのことを指します。
反対咬合や下顎前突(かがくぜんとつ)とも呼ばれます。
遺伝要因や骨格要因が多いです。
歯列矯正で上下の歯の噛み合わせを改善する治療を行います。
矯正前に外科手術を行うこともあります。
今日はここまでにします。
次回は、具体的な歯列矯正の方法の他、歯列矯正で横顔美人を目指すメリットについて紹介します。
当院では、患者様が抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私達にお話ししていただけたらと思います。ご興味がある方は下記からお問い合わせください。